このたび、下京区木賊山町にて会席料理店をオープンいたしました。 

店主は愛知県生まれの54歳。高校時代のアルバイト先で料理人の心意気に感銘を受け調理師専門学校に入学。
卒業後、地元ホテルの洋食部門を経験したのちデュッセルドルフの日系ホテルから和食料理人としてのキャリアをスタートしました。

その後は同ホテル内での転勤に伴い台湾、ベトナム、サイパンで勤務。
ホテルを離れた後はマレーシア、シンガポール、イタリア、バーレーン、スロバキアで腕を振るい、約32年の海外修行の終わりは、奇しくも海外生活を始めたドイツでした。 

長く日本の外におりましたが、途中二度ほど短期帰国し、京都のホテルで日本料理の現在地を学びなおす機会にも恵まれました。 

海外旅行に行かれた方なら世界各国で提供されている不思議な日本料理（と現地で呼ばれるもの）を目にされたことがあると思います。

そういった状況は日本料理に携わる者として大変悲しく残念であり、またその様な料理が定着している土地に赴き、本来の日本料理の味と技術を伝えることに強い使命を感じました。なかなかに困難な道のりではありましたが、同時に大変やりがいのある仕事でもありました。 

そして日本を離れ、ひたすらに日本料理に向き合ったからこそ見えてくるものがありました。まさに「温故知新」。己が追及している伝統的な料理は、芯の部分を大切にしながらも時代に合わせて変容していくものだと思います。 

海外で二人の子育てを終えた今、長年の夢であった京都で新たな挑戦を始める次第です。 

とはいえ、私の目指すものはカジュアルな雰囲気の中で気軽に会席料理をお楽しみいただく店。 

異なる食文化、宗教の国々での経験を活かし、ベジタリアンやアレルギー、また様々な食材の制限にもできるだけ柔軟に対応いたします。 

ご要望、ご質問などございましたら、どうぞお気軽におっしゃってください。「味わう楽しみ」のお手伝いをさせていただけることが何よりの店主のよろこびです。